「給付金のための育休延長」?本当の動機は違いますよ。

昨日、こんな記事を読みました。
[育休延長・給付金のため… 入園の意思ない保育利用申請]
太田泉生 2018年3月19日07時33分 朝日新聞

長いので見出しをつけました。できればこの記事は、育休制度を扱う国や企業側の方に読んでもらいたいものです。

  • そもそも育休延長はお金のためなんですか?
  • この問題の原因は「自分で選べないこと」「変更が利かないこと」
  • そもそも乳幼児は抵抗力が弱いんですよ?
  • そもそも 3 ヶ月もすれば戻る場所なんて無くなりますよ?
  • あなたが歩んだ道、他の人にも歩かせたいですか?
  • あなたが不幸にならない選択を

そもそも育休延長はお金のためなんですか?

そもそもの論点ですが、育休延長はお金のためではありませんよね・・・?「子供をあまり早く預けることは良くない」と、ママ自身が思ったからではないですか?母として、人としての迷いです。私は「子供といたい」と言う人に悪い感情を抱きません。むしろ「この人の子供は、愛情を持って育てられているのだな」と安心します。

育休延長が仮にお金の問題だとして、ならば再就職の意志無く失業給付金を受け取り、そのまま定年退職するオジサンも多いですよ。なぜ彼らは責められないのですか?どちらもただ制度の穴を利用しているだけ。高給取りだったオジサンが貰える給付金に比べて、若い女性が貰える給付金なんて “はした金”。本当にそんな小銭のためだと思いますか?

この問題の原因は「自分で選べないこと」「変更が利かないこと」

この問題が起こるそもそもの原因は、育休復帰が “原則 1 歳まで” と決められていることです。「保育園に入れなかった」というただ一つの理由しか、1 年以上育休を取ることが認められていないからです。だから1 年以上を育児に充てたい人は落選狙いで敢えて申請し、 “不承諾通知” を取るしかない。あたかも保育園に入れなかったような顔をして。道が一つしか無いことが、どうかしているのです。

そして制度上は原則 1 年でも、実際育てる人としては「2, 3 歳頃までは子供を自分の手で育てたい」という人が本当は多いんですよね。3歳児神話とかそんな迷信は関係なく、適期だと感じるかどうかの問題です。だから制度とのギャップが生まれる。親が自分の心に従って生きるには、こんな “裏技” を使うか、仕事を辞めるしかないのです。そもそも育休は、育児を知らないおじさん達が作ったもの。昔は辞めるしかなかったのが、戻れるようになっただけでも有難いと思え、でしょうか。

育休や失業給付金以外にも、「正社員に転職してから2人目」「ボーナスを貰ってから退職」という人もいます。それも同じくらいセコイと思いませんか?でも皆、表向きルール通りやっているだけです。他人が「やめろ」と言うのは簡単ですが、皆生きて行くために必死なのです。やめさせたい人達も、自分はバカ正直に苦労しているからそれが許せないんでしょうね。もちろんバカ正直な人の方が好感は持てますが、そもそも制度の方を変えるべきではないですか?「約束を守れる」制度に。そのためには本人に選ばせることが大事です。

母親ばかりがこんなに追い詰められる世の中では、ますます「子供を産もう」「産んでも働こう」なんて思いにくくなります。乳飲み子を無理やり母親から引き離すのではなく “自分の意志で” 決めてもらえる社会なら、こんなことにはなりませんよ。

それと難しいのは、「出産前に持っていたイメージ」と実際子育てをしてみた感覚」は大分違うということです。自分もそうだったのですが、「子供を連れて働く」ということがそこまで大変なことだとは誰も気付かないのです。経験した人以外は。母親自身の体調が思うように戻らない場合もあるし、子供が集団生活に入る適期もそれぞれ違います。「保育園に入れない」以外の理由でも変更が利くようにしても良いのでは。「自己都合の場合は無給」ということであれば、誰も文句は無いのではないでしょうか。

そもそも乳幼児は抵抗力が弱いんですよ?

復帰の意志が無いのならともかく、1 歳半や 2 歳になったら復帰するのなら、良いじゃないですか。子供が集団生活を始めるのには、そのくらいが適期だと思いますよ。0 歳 1 歳で預けたくないと思うのは当たり前では。預けて働くことの最大の懸念は、「子供が病気になったら悲しい。病気の時にそばにいてあげられなかったら悲しい」ということではないのでしょうか?

子供を早くから保育園に預けて働くママに「子供は病気をして強くなって行く」という慰めの言葉がよくかけられます。ですが、そもそも 3 歳未満は免疫機能が未熟な時期です。病気になりやすいのは当たり前なんですよ。しかも重症化しやすい。苦しい思いをするのは子供です。

保育のプロも小児医療のプロも、「子供に集団生活をさせるのは、本当は 2、3 歳からが良いと思う」という本音を口々に漏らします。彼らは親と同じか、時にはそれ以上に真剣に、子供の命をどうやって守るかを考えています。

1 歳というと、まだ離乳食も途中です。小さな頃はアレルギーがあることも珍しくない。そして 6 ヶ月~ 1 歳半頃は一番目が離せない時期。重大な事故も増えてきます。そういう時期に我が子の命を他人に預けることについて、もっと慎重に考えた方が良いです。

そもそも 3 ヶ月もすれば戻る場所なんて無くなりますよ?

とはいえ仕事のことを考えると、1 年、2 年も離れていると自分のポストはとっくに無くなっているし、自分も仕事の仕方をどんどん忘れて行きます。変化のスピードが激しい職場だと、既に浦島太郎状態になっている可能性もあります。早く復帰するのは、何より自分のためになるのです。

というか 3ヶ月も離れていると、後任の人に落ち着いていますよ。たとえその人が多少お荷物であっても。産休後、育休まで取っていると、その頃にはもうその人は会社に必要ない存在となっている可能性が高いでしょう。そういう意味でも、1 年休もうが 2 年休もうが同じことだと思います。

3 ヶ月以内に子供を産んで復帰できる人など限られた人です。まず妊娠中は臨月まで働くことができ、出産時や産後も何も問題が無いことが前提です。復帰時、子供は 2 ヶ月に満たない。

育休を取るのなら、自分のポストが無くなることについてはもう割り切るしか無いと思います。戻った時は新人のような新たな気持ちで、また頑張れば良いんですよ。何かと子供のせいにしたり(本当の場合が多いでしょうが、たまに嘘をつく人がいます)、フォローに入ってくれる皆さんの前で大きな顔をしていると、ちょっと鬱陶しいですしね (毒)

あなたが歩んだ道、他の人にも歩かせたいですか?

仕事と育児、両方とも責任ある仕事です。今は時代の転換期。少し前までは「旦那は 24 時間戦えますか/奥さんは良妻賢母」を求められていたのが、急に「男女平等」に変わってしまったのです。両者のバランスを取る方法を今、皆が模索しています。

その混乱の最中で乳幼児を抱え、頑張って頑張って頑張って来たお母さん、あなたがこの改革のパイオニアです。けど、その生活を他の人にもさせたいですか?その人は幸せだと思いますか?あなたは、幸せでしたか?

『もちろん!私はベストな働き方をしてきた』そう言えるのなら、どうぞ皆さんに勧めてあげてください。私も今、自分の働き方を「子供といたい・仕事も続けたい」お母さんに自信を持って勧めたいです。

ですが、もし「自分も頑張ったのだから、皆もそうすべき」という気持ちからだとしたら、後に続く人達を追い詰めるのはもう止めませんか?私は今の世の中を見ていてとても不安です。だからこの記事を書きました。

あなたが不幸にならない選択を

今まさに迷っているお母さんは、世間の声に騙されず、自分で決めましょう。今の母親が早く復帰させられているのは、日本が労働力不足だからです。このような世になった責任はあなたにありません。なのにその責任を負わされているだけです。旦那さんが全然帰って来ないのに、あなたまで育児を放棄することは無い。0 歳や 1 歳の子供に必要なのは他人との集団生活ではなく、親です。

あなたが不幸になると、あなたの大切な人達も不幸になります。あなたの人生への責任は、あなた以外の人には取れません。自分にとって一番良い道は、あなたにしかわかりません。あなたにとってその仕事は、子供を犠牲にしてまでしがみつく価値があるものですか?

「それでも私は仕事がしたい・しなければならない」と思う人は、頑張ったら良いのです。それは尊いこと。だけど矛盾する心と葛藤している人があまりに多すぎて、「働かされている」感が拭えません。

自分の中で仕事の優先順位が高くなると、その瞬間はつい子供が邪魔に感じてしまう時があります。ところが後で冷静になると「自分はバカだった。なぜ子供を大事にしなかったんだ」と後悔します。一昔前に子育てに関わってこなかったお父さんが感じる気持ちと同じですね。

悲しみ、苦しみ、対立、後悔、減りますように。

「給付金のための育休延長」?本当の動機は違いますよ。」への1件のフィードバック

  1. 一ヶ所誤りがありました。順序が逆だー

    再就職の意志無く失業給付金を受け取り、そのまま定年退職するオジサンも多いですよ。
    ↓↓
    定年退職後に再就職の意志無く失業給付金を受け取るオジサンも多いですよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA